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#01

広島市東部地区 連続立体交差事業

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広島市東部地区 連続立体交差事業
鉄道の高架化により踏切を除去し、道路と鉄道の立体交差化を進めることで、広島都市圏東部地域の交通の円滑化や南北市街地の一体化、踏切の安全確保を図る重要なプロジェクトです。

プロジェクトの背景

歴史的に交通の要衝として発展した広島都市圏東部では、市街地分断や踏切渋滞が深刻化していたため、山陽本線・呉線を高架化し踏切を除却する事業が進められています。これにより交通安全や利便性を向上させ地域の一体化を図るもので、当社はその実現に向け仮線への線路切換工事を担当しました。

本工事では、列車運行への影響を最小限に抑える必要があるため、限られた夜間の線路閉鎖時間内に、起点・終点・駅部の3箇所で同時に作業を進める計画が不可欠でした。約300名の技術者が集結し、入念な事前準備のもとで3箇所同時施工を遂行。線路機能の維持・更新を確実に行うことで、日常の移動を支える安全で安定した鉄道輸送の提供に貢献するとともに、本事業が目指す地域交通の改善と安全性向上を現場から支えています。
将来的な利用者増加や維持管理のしやすさも見据え
長期的に使われ続ける駅施設の実現を
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この工事の課題と狙い

安全を最優先に、確実に完了させること
計画段階では、「安全を最優先に、確実に完了させること」を最重要テーマとしました。最大の課題は、限られた夜間の作業時間内に約300名の作業員を離れた3箇所へ分散配置し、同時進行する作業を安全かつ確実に完了させることです。工程のわずかな遅れが翌朝の列車運行に直結するため、分単位での時間管理と、手戻りを発生させない段取りの精度が求められました。さらに、駅周辺という立地上、作業スペースの確保や資機材搬入の動線にも制約があり、各作業箇所で条件が異なる中、現場ごとの特性を踏まえた計画立案と全体統括が重要なポイントとなりました。
これらの課題に対し、作業工程を細分化して手順を可視化し、人員配置や資機材の動きを事前に整理するとともに、3箇所同時施工を円滑に進めるため、指揮系統と連絡体制を明確化しました。また、本工事は大規模かつ難易度の高い現場であることから、次代を担う若手技術者が実践を通じて経験を積み、確かな技術を承継していくという重要な狙いも併せ持つ計画としました。

三箇所同時施工で支えた安全と安定

施工当日は、起点・終点・駅部の3箇所で同時に作業を開始し、進捗状況を常に共有しながら工程を管理しました。限られた夜間の線路閉鎖時間内で“必ず終わらせ切る”ため、無線連絡を活用して情報を本部に集約し、全体状況をリアルタイムに把握。各所の状況差を踏まえて判断を迅速化し、工程の遅れを未然に防ぎました。

また、夜間で視認性が限られる環境下でも安全を最優先とするため、安全確認をより丁寧に行い、声かけ・指差確認を徹底してヒューマンエラーの防止に努めました。さらに、作業一つひとつの動作から無駄を省き、約300名の力を同じ時間軸で一つの方向へ集中させることで、予定時刻を厳守した施工を実現。日常の移動を支える安全で安定した鉄道輸送の確保に貢献するとともに、本事業が目指す地域交通の改善と安全性向上を現場から支えました。

日常の鉄道運行を支える現場の使命

翌朝、予定通り始発列車が現場を通過する様子を確認した瞬間、現場には大きな達成感が広がりました。
大規模かつ制約の多い条件下で、安全第一の施工を実現できたことは、現場一人ひとりの高いプロ意識と、それを支える組織力の確かさを改めて実感する結果となりました。
多くの人々が、変わらぬ利便性のもと鉄道を利用している姿は、私たち技術者にとって何よりの手応えであり、鉄道インフラを守り続ける使命を再認識する機会となりました。
今回の工事で得た大規模施工におけるマネジメントの知見を、今後のメンテナンスや日常の点検業務へ確実に活かしていくことが重要です。
これからも地域と鉄道の未来を支えるパートナーとして、一つひとつの現場に誠実に向き合い、信頼される工事を積み重ねてまいります。

プロジェクト概要

施工時期 2025年12月
施工場所 広島県広島市・安芸郡府中町
概要 広島市東部地区連続立体交差事業 線路切換工事
工法等詳細 本連続立体交差事業は、営業線を維持しながら高架を建設するため、隣接位置に仮線を先行構築し、仮線へ営業線を一時的に切換える仮線工法を採用。本工事は、鉄道の運行を維持しながら既設線から仮線へ列車の走行ルートを移す作業で、終電後の短時間で線路を切換え、翌始発までに安全に運行できる状態へ復旧する高度な鉄道工事である。

プロジェクトメンバー

所長
須田 将康
広島支店/東部連立向洋作業所(線路)所属の所長。広島市東部地区連続立体交差事業の線路工事責任者として、契約・安全・工程を統括。2033年春頃完成を見据え、関係各所を束ね現場を牽引する。
監理技術者
矢野 利樹
広島支店/東部連立向洋作業所(線路)所属の監理技術者。工事計画の立案と推進を担い、線路切換の精度管理や各社調整を統括し、安全・品質確保に責任を持つ12年目の中核技術者。
鶴田 佳織
広島支店/東部連立向洋作業所(線路)所属。現場担当として所長や監理技術者の指示のもと実務を遂行。線路切換工事を6〜7回経験し、約300名規模の作業でも現場調整を担う5年目の若手中核メンバー。